B02 白昼の情事


1.


ある日曜日の昼下がり、今日も一刻館の玄関前をトレードマークのエプロンを身につけ竹箒で掃除する響子さん。
「響子、頼みがあるんだけど……」
五代が掃除中の響子さんに近づき話しかける。
「なぁに、あなた?」
響子さんが微笑む。
ヒソヒソヒソ……
五代が響子さんの耳元で囁く。
「……そ、そんなのいやよ!」
響子さんが顔を真っ赤にして拒否する。
「いいじゃないか、響子〜」
五代が響子さんに甘えてみせる。
「……ちょっと……本気なの……?」
響子さんが信じられないという表情になる。
「まぁ、たまにこんなのも……ね」
五代が響子さんに微笑む。
「わ、わかったわ、あなたがそこまで望むのなら……。でも……信じられない!」
響子さんはとても不機嫌になる。
「じゃあちょっと出かけてくるから……」
そういって五代は一刻館を後にする。
「……」
響子さんは不機嫌なままなにも声をかけず五代を見送る。


2.


「管理人さん、じゃあ賢太郎とちょっと買い物に出かけてくるから」
一の瀬さんは管理人室に顔を出してそう告げると賢太郎を連れて買い物に出かける。
「何時ごろお帰りですか?」
響子さんが尋ねる。
「夜の7時くらいかねぇ」
一の瀬さんがこたえる。
「はい、わかりました。いってらっしゃい」
響子さんが一の瀬親子を見送る。

(そういえば朱美さんも四谷さんも出かけてるわね……)
響子さんは一刻館に自分一人しかいないことに気づく。
「さっさと終わらせてゆっくりしよっと!」
響子さんは掃除を終えると管理人室に戻る。
しかし……響子さんは気づかなかった。
その様子を一人の男がずっと見守っていたことに……。

「あの人、どこに出かけたのかしら?」
何の気なしにつぶやく響子さん。
五代は休みの日はあまり出かけたりせず管理人の仕事を手伝ってくれる。
今日も屋根裏部屋の掃除をしてもらい大助かりだった。
「ふぁ〜、今日も疲れたわ……」
響子さんは横になるとそのまま眠ってしまった。


3.


カチャリ。
静かな音を立てて一刻館の扉が開き一人の男が体を滑り込ませる。
辺りの気配をうかがいながら管理人室に近づく。
今この建物には五代響子しかいないのは既に確認済みであった。
男は静かに管理人室のドアに鍵を差込み静かに扉を開ける。
部屋を見渡すと五代響子は眠っているようだ。
男はにやりと笑うと鍵を閉めなおし、カーテンを引き外から部屋の中が見えないようにする。
……と、その気配に響子さんが目を覚ます。
「あら、あたし寝ちゃってたのね……」
そういって体を起こす。
すると……人影が視界の隅に映る。

「あなた、もう帰ったんですか……?」
そういって振り向いた響子さんの顔が凍りつく。
目と口の部分だけが開いた覆面をかぶった男が自分を見つめているのだ。
「あ、あなた……誰……?」
響子さんが恐怖に震えながら気丈に大声を出す。
男は黙って右腕のあざを見せる。
響子さんはそのあざに見覚えがある。
「あなた、まさか……」
響子さんがその男の名前を叫びかけると男は一気に響子さんを床に押し倒す。
「いや……何する気!?」
響子さんが抵抗する。
男は返事をせず黙ったまますこしずつ響子さんの服を脱がしてゆく。
まずはシャツ……つづいてブラ……。
「あなた……本気なの……?」
響子さんの言葉に男が黙ってうなずく。
「いや……やめて……あたしには愛する主人が……」
響子さんは必死に抵抗する。
しかし……やはり男の力には敵わない。
響子さんは強引にうつぶせにされ、髪を束ねているお気に入りのリボンで両手を後ろ手にきつく縛られてしまう。
そしてその瞬間、自然と絶望的な表情になる。
男の目的が自分の体だということに気づいてしまったのだ。


4.


「お願い……やめて……」
響子さんは無駄だとわかっていても男にお願いする。
しかし……もちろん男はやめたりしない。
男はまず響子さんの唇を奪う。もちろん舌をかまれたりしないように唇をあわせ、唇を嘗め回すのみだ。
そのまま首筋を嘗め回し、夫にも隠せないようにキスマークを数箇所につける。
響子さんは五代になんと言い訳すればいいかわからずますます絶望を感じてしまう。
「お願いだから……やめて……」
響子さんがうめく。
しかし、もちろんこんな魅力的な人妻を手中にして途中でやめる男などこの地球上に存在しない。
男は響子さんの体を起こすと後ろに回り、両の乳房をもみしだく。
男の指と指の間から肉がはみ出る。
「痛い!乱暴にしないで!!」
響子さんが泣き喚く。
「じゃあ……本気で感じさせてあげるよ……奥さん……」
男が聞き覚えがある声で響子さんの耳元で囁く。
最初から分かっていたとおりあの男だ!
しかし、男の指が乳房から乳首に刺激を与え始めると響子さんの思考は止まってしまう。
男は響子さんの美しい黒髪に顔をうずめ何とも幸せそうな顔をしたまま乳首を刺激し続ける。
「ああっ!」
響子さんは男の指使いに思わず淫らな声をあげてしまう。
「感じてるみたいだね……奥さん」
男が響子さんの耳元で息を弾ませながらいやらしく囁く。


5.


「そ、そんなことないわ……誰が感じてなんか……ああっ!」
響子さんの反論は再度乳首に刺激が与えられ封じ込まれる。
「こんなに乳首をおったてちゃってなにいってんだよ、この淫乱!」
男が響子さんを言葉で辱める。

「くぅ……」
響子さんは男に反論するどころか男の指使いの前にさらに男にあられもない声をあげさせられてしまう。
響子さんの意思とは関係なく体が男を求めつつあるのだ。
男は再度響子さんを押し倒し、両手で乳房を刺激しながら乳首を舌と歯で刺激する。
男は響子さんが乳首を責められると感じてしまうことに気づいたようだ。
「いや……あなた、助けて……。あたしこのままじゃ……」
響子さんが無意識のうちに五代に助けを求める。

「無駄だよ、奥さん。だんなはさっき出かけたじゃないか?今ここにいるのはおれと奥さんだけ……」
そういって男が逆の乳首を口に含むと同時にジ−パンを開き指を下着の中に滑り込ませる。
「そ、そこは……駄目!」
響子さんは必死に抵抗しようとするが両手を縛られているため抵抗できず、結局男の指の侵入を許してしまう。
男は指を2本侵入させた後、響子さんの目の前でゆっくりと開いてみせる。
指と指の間を糸が引く……。
「奥さん……もう濡れてるね……。ちょっと感じすぎじゃないか?」
男が響子さんを肉体的にだけではなく精神的にも追い詰めていく。
「…………」
響子さんは男にもはや反論すら出来ない。
完全に体が男を求めてしまっているのだ……。
そんな響子さんの様子を確認した男は響子さんのジーパンを脱がせようとする。
響子さんは男の意図を察し今日一番の抵抗をする。
「奥さん……もう抵抗しないんだったら……だんなさんには黙っててあげるぜ……?」
男が響子さんの耳元で囁く。
響子さんは男の言葉に自分が弄ばれていることに気づく。
男はいつでも自分を自由に出来るがその過程を楽しんでいるだけなのだ。
「…………」
響子さんがぐったりしてしまうと男はジーパンと下着を素早く脱がせ響子さんを全裸にしてしまう。


6.


「なかなか聞き分けがいいじゃないか?それとももうおれが欲しくてたまらないのかい?」
男が笑いながら響子さんに尋ねる。
「主人には……内緒よ……約束して!」
響子さんは目をそらしたままだ。
「あんたがこれからおれが呼び出す度に股を開くならな……」
男の言葉に響子さんの顔に絶望の色が浮かぶ。
これから先、この男のいいなりになるしかないのか……。
男は抵抗する元気もなくなってしまった響子さんの秘所を責め始める。
「ああっ……いや……」
男の舌が響子さんの中に侵入し先ほどまでとは違う快感を与える。
男は響子さんを舌で刺激したまますぐ目の前にある突起物を指で刺激する。
「ああ……もう……許して……」
響子さんはもう完全に男のなすがままだ。
「奥さん……気持ちいいかい?」
男が舌を抜き今度は指を挿入し響子さんの中をゆっくり刺激しながら響子さんの顔を覗き込む。
「……いい……気持ちいいわ……」
響子さんが思わず口走る。
口にした後、後悔したが後の祭りであった。
「奥さん……仮にもレイプされてるのに……気持ちいいとはね……」
男が響子さんの耳元で囁く。
男の言葉に響子さんは自分が男のものになってしまったことを悟る。
男の指で快感を与えられ口からは絶えず甘いあえぎ声がもれ続けている。
もう自分で自分を抑えられない。
「奥さん……そろそろ……欲しいんだろ……?」
男がまたもや響子さんの顔を覗き込みながら尋ねる。
響子さんはしばらく目をつぶったままだったが欲望には逆らえずついに決定的な言葉をいってしまう。

「欲しい……。……あたしをむちゃくちゃにして!」
響子さんが叫ぶ。
響子さんの頭にあるのは早く満足したいという女の本能だけであった……。


7.


「OK、奥さん!じゃあまずこれをお願いしようか」
そういって男は響子さんの眼前に男のものを突きつける。
「…………」
響子さんは顔をそむけるが男は響子さんの顔にあれをなすりつけて奉仕を求める。
「……わ、わかったわ……」
そういって響子さんは男のものを口に含むと結婚してから少しずつ夫に教え込まれたテクニックを男に披露する。
「おお、うまいぜ奥さん!さてはだんなにいつもやらされてるな。かわいい顔してやることやってるんだな」
男がさらに響子さんを追い詰める。
「そろそろ……リボンほどいてよ……」
響子さんが男に頼む。
響子さんは手も使いたいのだ。
「だめだ、そんなこといって隙をついて逃げようとするんだろ。で、おれとだんなさん、どっちが大きいんだい?」
男がにやにやしながら尋ねる。
「……お、同じくらいよ!」
響子さんが男をにらみつける。
「そうか、じゃあどっちのがいいか確かめてみるか!」
そういって男は響子さんの口からあれを引き抜くと響子さんを組み敷き足をM字型にし挿入の体勢に入る。
響子さんは抵抗せず男に貫かれるのを待っている。

……響子さんは既に一秒でも早く男に犯されたいのだ……。

「じゃあ、行くぜ」
そういって男が響子さんを激しく貫く。
「ああ!」
響子さんは思わず声をあげる。
響子さんの反応に満足して男がゆっくりとピストン運動を始める。
「ああ……いいわ……」
響子さんが悦びの声をあげる。
そんな響子さんに男は美貌の人妻を完全に征服したことを確信する。

「奥さん、見知らぬ男にしゃぶらされ……そのまま完全に征服された気分はどうだい?」
男が響子さんの快感にゆがむ顔を覗き込みながら尋ねる。
「そ、そんなこと……。ああっ!……悔しいけど……すごく……」
響子さんは実際に犯される感触だけでなく言葉でも屈服させられ、ただ貪欲に快感を求める一匹の雌になってしまっていた。
そんな響子さんに満足し男が腰の回転を早める。
「ああ……こんなの……初めて……」
響子さんが無意識のうちにつぶやく。
それは……夫である五代よりこの男のほうがイイとはっきり認める言葉であった。
「そうか……おれの方がいいかい?じゃあとりあえずイっちゃいな」
そういって男がスパートをかける。
「ああ……知らない男にレイプされて……あたし……!!」
そう叫ぶと響子さんは一瞬気が遠くなり体を痙攣させる。
響子さんの体は男のものを夫と同じように締め付けてしまっていた。


8.


「とりあえずおれはまだ満足してないんだぜ?」
男はまだ響子さんとつながったままだ。
響子さんは黙ったままだ。
「おれにイカされちまってショックのまま呆然としてるってところか」
そういって男は響子さんとつながったまま体を反転させる。
俗にいう女性上位の形になる。
「奥さん……自分で腰動かしなよ、自分が気持ちいいようにね」
男の言葉に響子さんが顔色を変える。
「そろそろ……いい加減にしてよ……」
響子さんが少し怒ったような声でいう。
「えっ……」
なぜか男が怯む。
「奥さん、そんなに怒らないで……。ものすごく感じてたじゃないか?もう少し愉しもうぜ」
男が響子さんの機嫌をとるようにいう。
「……しょうがないわね……」
響子さんは諦めてそのまま腰を前後左右に動かし一番感じる角度を探す。
響子さんはまだ後ろ手に縛られたままのため胸を男の胸にこすり付けるような感じになる。
「やっぱ人妻ってのはいいな。快感に貪欲だ」
男が下品に笑う。
響子さんは一瞬、男をにらみつけるが我慢して腰を上下に動かし始める。
「ああ……・」
響子さんは自分の腰の動きで快感を感じ始め、思わず甘い声が漏れる。
「レイプされてるのに自分で腰動かしてあえぎ声出すとは……奥さんはほんとに淫乱だな」
響子さんは男の言葉に顔が真っ赤になる。
「あたし……ひどく興奮してきちゃって……。いやなはずなのに……あたし……」
響子さんがつぶやく。
「いい心がけだ」
そういって男が響子さんのお尻を両手で支え、下から突き上げ始める。
「ああ……そんな……」
響子さんの顔を快楽にゆがむ。
「奥さん……キスしてくれよ……」
男にそういわれて響子さんは男の口に舌をねじ込ませる。
もはや舌をかんで逃げるとかそんな発想は微塵もない。
ただ男と愛し合いたい。
「奥さん、おしゃぶりだけでなくキスもうまいな。男が喜ぶツボを心得てる。だんなさんの教育がいいんだな」
「…………」
男の言葉に響子さんは男をにらみつける。
しかし……男が再度腰を激しく動かし始め響子さんはそれどころではなくなってしまう。
「そろそろ……本気で満足させてやるぜ、おれも奥さんの中におもいっきり出したいからな」
男がにやりと笑う。


9.


「中は……やめて……」
響子さんが嫌がる振りをする。
しかしそれは演技であった。
響子さんは……男に中に出して欲しい。
それはそのときの響子さんの嘘偽りのない事実であった。

「今さらなにいってんだよ、ここまで楽しんでおいて中はだめなんてありえないよ」
そういって男が手馴れた感じで響子さんをうつぶせにする。
男に腰を高く掲げさせられその体勢に響子さんは激しい羞恥心を抱く。
「奥さん……ほんとに色っぽいな……。だんなさんは幸せもん……だったな……」
男は響子さんに主人を裏切ってることをあらためてはっきりと認識させ、屈辱を植えつける。
「主人には……絶対に言わないで……」
響子さんが後ろを振り向き懇願する。
そんな響子さんの表情に男は激しく欲情し一気に根元まで挿入する。
「ああ!!」
男にいきなり奥まで挿入され響子さんは軽くイってしまいそうになる。
「奥さん……興奮してるね……さっきまでよりすごく締め付けてくるよ……」
男が響子さんをさらに追い込む。
「もう……言葉はいらないから……早く……あたしを……」
響子さんがあえぎながら言葉を搾り出す。
そんな響子さんを男はたまらなく愛しいと感じ右手を秘所にまわしさらなる刺激を与える。
「いいぜ……こんな美人の人妻から求められるなんて最高だ。明日から毎日抱きに来るからちゃんと待ってるんだぜ」
男が明日から毎日来て犯すと断言する。
いや……すでに犯してるのではない。
二人の間には明らかに愛がある。
その証拠に……響子さんがつぶやく。
「これからは毎日……愛してくれるの……?」
響子さん自身の口から愛という言葉がでる。
既に二人の想いは完全にひとつだ。
「ああ……毎日だ!」
そういって男が腰の動きを早める。
「ああ……いいわ……。中に……あたしの中におもいっきり出して……」
響子さんがその言葉の意味を十分知った上でつぶやく。
「ああ……いくぜ、おれの子供を生んでくれ!」
そういって男がラストスパートをかける。
「ああ……”あなた”の子供……生みたい……。”そろそろいい加減に”……妊娠させて……」
「すぐできるさ……おれ達の間には”ずっと前から”愛があるじゃないか……」
男がフィニッシュの体勢に入る。
「ああ……”あなた”……。あたし……もう……!!!」
響子さんが男が最近見た中では最も激しく絶頂を迎える。

ドクドクッ!
男は響子さんの腰をしっかりとつかんだまま中に放出し満足した表情になる。


10.


全裸のまま、管理人室で寄り添う二人。
男は近くにあったタオルケットを響子さんにはおらせる。
「最近がんばってくれてたけど……これからは毎日抱いてくれるのね……」
響子さんがつぶやく。
「え……」
男がおもわず絶句する。
「約束しましたよ……あ  な  た」
響子さんが愛する夫に語りかける。
「響子……これはあくまで演技であって……」
男がごまかし始める。
「なによ……さっきの言葉嘘だったの!?あたしにこんな変態みたいなことやらせといて!!」
そういって響子さんは男の覆面を剥ぎ取る。
覆面の下からいつもの見慣れた夫の顔を現れる。
「あなた!これからは子供できるまで毎日抱いてもらいますからね!!」
響子さんが覆面の男、五代裕作をにらみつける。
「……響子……おれにも体力という奴が……」
「駄目よ!男に二言はないんだから……」
そういって響子さんが五代に抱きつく。
「でも、響子、すごいノリノリだったね。こんなの初めて、っていわれたときはどうしようかと思ったよ」
そういって五代が笑う。
「もう……あなたはあたしにひどいこといいすぎなのよ!」
響子さんはわざと怒ってみせる。
「でも奥さん……ああいうの……好きなんだろ……?」
五代がさっきまでの口調で響子さんを抱き寄せる。
「やめて!あたしには愛する主人が……」
響子さんもさきほどまでと同じように演技する。
二人が顔を見合わせる。
「はははっ……」
お互いの顔を見て笑いあう。

「響子は昔人形劇やった時もそうだったけど役になりきっちゃうんだよね。主人には内緒よって言われておれ、鳥肌が立っちゃってほんとに響子を無理やり犯してるような気になっちゃったよ」
そういって五代は響子さんに優しく口づけする。
「ふふふ……でもね……あなただってわかってるから……あんなに感じちゃうのよ。誰にでもあんな反応するなんて誤解しないでよ……」
響子さんは五代の口づけにうっとりしたままつぶやく。
「本当かなぁ……響子は敏感だからなぁ」
五代が響子さんをからかう。
「ふざけないでください!あたしが愛してるのはあなただけです!!」
響子さんが五代に本気で怒ってみせる。
「ごめん響子。冗談でもわるかったよ……。おれが愛してるのも……・響子だけだよ……」
そういって五代は響子さんの美しい黒髪をなでる。
響子さんは五代の言葉に満足してにっこりする。
「ふふふ……わかってもらえればいいんです……。でもこの覆面、どこから持ってきたの?あたし最初、本気でびっくりしちゃった!」
「坂本にもらったんだよ、これかぶってするとすごい興奮するとかいわれてさ」
「あなたって……実は変態なんじゃないの……?」
響子さんが五代をジトーと見つめる。
「その変態に毎日抱かれたがってるのは誰かな?」
五代が響子さんにやりかえす。
「もう……。でも……子供……早く欲しいわ。お父さん、お母さんに言われてるのもあるけど……あたし自身あなたの子供……早く欲しいわ……」
響子さんが五代を見つめる。
「子供も変態が生まれるかも……」
五代が軽く冗談を言う。
「茶化さないで!とりあえず今晩もがんばりましょうね♪」
そういって響子さんは五代から離れ服を身に付け始める。
五代はそんな響子さんを見てえらいことを約束してしまったとうなだれるのであった……。

 

[完]

 

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